フジテレビ月9ドラマ「海のはじまり」では、図書館や絵本がストーリーの重要なカギとして繰り返し登場しています。中でも絵本「くまとやまねこ」はドラマの中に何度も登場し、9月16日放送の第11話では特にクローズアップされてドラマが展開しました。ドラマ「海のはじまり」はこの絵本の内容を下敷きにしているのではないか?と思う程、内容が重さなっているんですよ。まだ、絵本「くまとやまねこ」の内容を知らない方に絵本の内容を紹介します。
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【海のはじまり】夏が自閉症スペクトラムだと思う8つの理由
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絵本「くまとやまねこ」の内容紹介
【広告】絵本「くまとやまねこ」
絵本「くまとやまねこ」
作:湯本香樹実
絵:酒井駒子
出版社:河出書房新社
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間もなく、命が尽きてしまう南雲水季(演 古川琴音) が、海ちゃん(演 泉谷星奈) に対して、海ちゃんもこうしてママを失う悲しみから立ち直ってほしいという思いが込められた絵本です。
絵本「くまとやまねこ」の要点だけを書き出すと以下のようになります。
- 大切な人を亡くした悲しみは時間が癒してくれる
- 大切な人を亡くした悲しみを乗り越えるには、その悲しみに寄り添ってくれる人が必要
- 大切な人を亡くした事実にとらわれて悲しみ続ける事よりも、亡くなった人と過ごした思い出をいつまでも忘れない事の方が大切
- 新しい出会いが、新しい人生のスタートになる
海のはじまり11話は絵本「くまとやまねこ」の実写版?!
ドラマ「海のはじまり」第11話は、この絵本「くまとやまねこ」の実写版かと思うような演出が成されていました。
この絵本に出て来るキャラクターは、主人公のくま、突然亡くなってしまった小鳥、くまが悲しんでいることに当惑する森の動物たち、悲しみに暮れていたくまの人生を変えるやまねこです。
ドラマ「海のはじまり」の第11話の状況にこれらのキャラクターをあてはめると、以下のようになります。
- 主人公のくま/海ちゃん
- 亡くなった小鳥/水季
- くまの人生を変えるやまねこ/夏(?)
ドラマ「海のはじまり」は、水季を病気で亡くした海ちゃんが、離れていた父親・月岡夏(演 目黒蓮) と出会って新たな人生を歩き始めるストーリーと、視聴者の多くが感じています。なので、悲しみに暮れる海ちゃん(くま) の人生を変える、やまねこは、夏だと思い込んでいますが、夏は海ちゃんにとって本当にやまねこなんでしょうか?
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絵本「くまとやまねこ」では、小鳥が亡くなって悲しみに暮れるくまは、小鳥の遺骸をきれいな花を敷き詰めた小箱に入れて持ち歩き、森の動物たちに事あるごとにこの遺骸を見せていました。その行為に、森の動物たちは当惑し、「くまくん、小鳥はもう帰ってこない、辛いだろうけど早く忘れなくちゃ」とくまを諭しています。
このシチュエーション、ドラマ「海のはじまり」第11話で夏が海ちゃんに対して、「水季はもういないから2人で頑張ろう」とか、「水季の事を思い出して寂しくなっちゃうんなら、水季の事は話さなくてもいいよ」と言っている状況と酷似していますよね。
夏は海ちゃんにとっての
やまねこではなく、
夏はくまの悲しみに当惑する
森の動物たちの1匹に過ぎないんですよ。
要するに、
夏が森の動物でしかなかったら
ドラマ「海のはじまり」は
ハッピーエンドには向かわないんですよ。
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夏が海ちゃんの悲しみに寄り添えない理由
自閉症スペクトラムの人は、対人コミュニケーションが苦手で、相手の気持ちを察するとか相手の気持ちに寄り添うという事が出来ません。
なので夏が自閉症スペクトラムであるなら、海ちゃん(演 泉谷星奈) の悲しみに寄り添う事はもともと難しい上に、夏はドラマ「海のはじまり」の登場人物の中で(弥生を除いて)もっとも水季(演 古川琴音) と一緒にいた期間が短いですから、なおさら海ちゃんの悲しみに共感するのが難しいと考えられます。
- 海ちゃん
水季の娘で7歳。水季とは7年間の濃密な付き合いがある。 - 南雲翔平(演 利重剛)・朱音(演 大竹しのぶ)
水季の両親なので、水季とは27年間の付き合いがある。 - 津野(演 池松壮亮)
水季の職場の同僚。海ちゃんとの初対面は海ちゃんが1歳の時。6年間に渡って、毎日水季を顔を合わせ、水季の生活面でも支えて来た。 - 夏
大学1年のサークル新歓コンパで出会い交際スタート。大学2年の冬に破局。水季とは2年弱の付き合いのみ。
この状況を踏まえると
くま(海ちゃん)の悲しみに共感し、
寄り添う事が出来る
やまねこにふさわしいのは津野
という事になるんですよ。
絵本「くまとやまねこ」では、くまの悲しみが癒えるきっかけとなったヤマネコとの出会いに至るまで、かなりの時間が経過する描写がありました。
大切な人がなくなった悲しみを癒すのは、十分な時間が必要というわけです。。悲しんで悲しんで、悲しみつくした後、やっと悲しみのトンネルから抜け出すことができるわけなんですが、ドラマ「海のはじまり」ではその時間がまだ経過していないうちに、物事が進み過ぎている感があります。
第1話を観ると、水季の告別式があったのは、2024年7月2日です。まだ3カ月も経過してないんですよ。水季の告別式に初めて南雲家や海ちゃんの前に姿を現した夏と、2カ月ちょっとの間、過ごした位の事で、夏と海ちゃんが2人暮らしを始めるっていうこと自体が、現実ではちょっとあり得ない事だと思うんですよ。
夏と海ちゃんの2人暮らし、
上手くいくわけないですよね。
お互いの事、何にも分かってないのに。。。
なんでこんな流れになったのか? 不思議です。
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夏はどこまで行っても鈍感な件
南雲水季(演 古川琴音) は海ちゃん(演 泉谷星奈) にこの絵本「くまとやまねこ」を大人にこのなるまで何度も読み返すように言っていました。絵本の意味が分かるようになったら、ママがいなくなっても大丈夫になるから、と言っていました。
第7話のラストで月岡夏(演 目黒蓮) はこの絵本「くまとやまねこ」を海ちゃんに読み聞かせしていました。
この絵本を読めば、この絵本が子供に死生観を学ばせることができる、海ちゃんが母親を失った悲しみから立ち直るヒントを気付かせてくれる、普通の大人なら誰しもが感じると思うんですよ。夏がこの絵本を読み聞かせしていたのであれば、当然それを感じているはずと思ったのですが、第11話の夏と海ちゃんの会話から、夏はその事に全く気が付いていないようでした。
夏がこの絵本の内容を
理解できていないとすると
やはり夏が自閉症スペクトラムを抱えている
疑いが濃厚になってきますよね。
一方、津野(演 池松壮亮) は第2話で、この海ちゃんの絵本「くまとやまねこ」が図書館に紛れ込んでしまっていることに気付いて、わざわざ南雲家まで届けに行くシーンがありました。この時は、南雲家に夏が来ている事に気が付いて、津野は玄関チャイムを鳴らさずに。玄関先に本を置いて帰りました。
第2話でこのシーンを観た時は、南雲家と親密になりたい津野がわざわざ持ってきて恩を売りたいのかな、と思いましたが、この絵本が海ちゃんにとってどれほど重要かを理解していた津野だからこその行動だったと、今になると思えるんですよ。
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まとめ
ドラマ「海のはじまり」にたびたび登場する絵本「くまとやまねこ」の内容が、ドラマの内容に深く関係していることから、ドラマでは触れられていない絵本「くまとやまねこ」の内容について解説しました。
上記のことを踏まえると、次回ドラマ「海のはじまり」の最終回は、月岡夏 (演 目黒蓮) と海ちゃん(演 泉谷星奈) が一緒に暮らすことが必ずしもハッピーエンドではない、という事が分かってきました。海ちゃんは南雲家に戻り、夏は海ちゃんの養育費だけを払ってまた一人暮らし、百瀬弥生(演 有村架純) とよりを戻すかどうかはわかりませんが、全てが、南雲水季(演 古川琴音) の葬儀に出席する前の状態に戻って、エンディングって事になるかもしれません。
次回最終回、どんな決着になるのか注目しましょう。視聴者が納得できる最終回にはならないかもしれませんが。。。
追記 2024年9月24日 最終回ではほとんど絵本に触れませんでした!!
これまで、意味ありげに何度もドラマに登場していた絵本「くまとやまねこ」、最終回ではその絵本のストーリーに触れて何かしらの展開があるものと思っていましたが、最終回ではこの絵本、ほんの一瞬、ちらっと映っただけで、その後は全く触れずでスルーでした!!! あまりの無視にちょっと愕然としてしまいましたよw。
このドラマ「海のはじまり」は丁寧に丁寧に時間をかけて物語を描く、というのがモットーの様に言われてきましたが、最終回、なんか乱暴に無理やりハッピーエンド感を出して幕を下ろしちゃった感じがしました。
正直、消化不良感が半端ないです。なんやったんや。。。って感じです。
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