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2023年6月18日、カナダ東部ニューファンドランド島沖で1912年に沈没した豪華客船「タイタニック号」を見学するツアーで、使用していた潜水艇「タイタン」が消息不明となり乗っていた5名の安否が心配されていましたが、23日探索していた無人探査潜水機(ROV)が海底に散らばった「タイタン」の破片を発見。海底で「タイタン」船体が水圧で押しつぶされ圧壊、5人全員が亡くなるという痛ましい結果になってしまいました。
豪華客船「タイタニック号」が沈んでいるのは水深3800mの海底です。気圧も380気圧になります。それに対して潜水艇「タイタン」、素人目に見てとても華奢な作りに見えました。こんなシンプルな船体で大丈夫なん? というのが見た目の印象でした。
世界には水深4000m以上潜ることのできる有人潜水艇は2023年の時点では10隻しかないそうです。
じゃあ、他の潜水艇は
どんな形してるの?
潜水艇「タイタン」以外で4000m以上潜れる潜水艇はいったいどんな形状をしているのか? 3つの例を挙げて解説いたします。
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今回事故を起こした潜水艇「タイタン」の形状は?
今回、事故に遭った潜水艇「タイタン」の形状は以下の通り。
Top Secret U.S. Navy Detection System Heard the Implosion of the Titan Submersible Days Agohttps://t.co/nBaHyYG831
— Trending News Now (@TrendingNewsThe) June 22, 2023
非常に簡素な船体です。
この潜水艇「タイタン」は全長6.7m、幅2.8m、高さ2.8mで船内はミニバン程度のスペースが確保されていますが立つことはできません。一般の人からすると狭く感じますが、深海探査の潜水艇は身動きできないほどの狭さが一般的なので、これでも「タイタン」の船内はだいぶ広いそうです。定員は操縦士を含む5名。重さは約10t。船体は主に炭素繊維とチタンで出来ているそうです。印象的なのは正面についた円形の窓です。この窓は直径21インチ (約53.34cm) あり、やはり一般人からすると小さな窓ですが、深海の水深4000mを潜れる潜水艇では最大サイズの窓だそうです。(※ニュースではこの窓は水深1300mまでしか持たないとの報道もあります)
🌎 | El interior del sumergible Titán: pic.twitter.com/cfajzEgADy
— Alerta News 24 (@AlertaNews24) June 22, 2023
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では潜水艇「タイタン」以外の
水深4000m以上潜れる有人潜水艇を見て行きましょう。
タイタン以外で水深4000m以上潜れる有人潜水艇はどんな形状?
水深4000m以上潜れる有人潜水艇は2023年の時点で世界に10隻しかないそうです。その中からいくつかご紹介します。
1. しんかい6500 (日本)
ブラタモリでも「しんかい6500」を特集
しんかい6500
「しんかい6500」は日本の国立研究開発法人海洋研究開発機構が所有する潜水艇で、水深6500mまでの大深度海底調査を目的としています。建造されたのは1989年に125億円が投じられ建造されました。
サイズは潜水艇「タイタン」よりも一回り大きいサイズで全長9.7m、幅2.8m、高さ4.1m。ですが定員は3名(乗員2名+便乗者1名)上記動画を見るとわかりますが。見た目からして船体の堅牢さが見て取れますよね。そして、潜水艇「タイタン」のように船内からでもある程度の大きさで覗ける窓は見当たらず、「しんかい6500」の窓は外側はある程度大きなガラスがはめ込まれていますが、内側からは小さな覗き窓の様になっています。
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2. アルビン (アメリカ)
DSV Alvin
深海潜航艇 アルビン
「アルビン」はアメリカ海軍が所有する潜水艇で、世界初の大深度潜水艇で完成したのは1964年です。サイズは潜水艇「タイタン」よりも若干高さが勝っていて、全長7.1m、最大幅2.6m、高さ3.7mで定員は3名(操縦士1名+科学者2名)です。最大深度は4500mでしたが6000mまで行けるように改良が加えられているそうです。
「アルビン」も見るからに頑丈そうな船体をしています。そして船体についている窓はやはり内側からはのぞき窓程度の小さな窓しかありません。下記の画像、男性の背後にあるのが「アルビン」の窓です。
3. ノーチル (フランス)
Seeing unverified reports that the Nautile was sent on an urgent mission to locate the Titan submersible.
— LoBe (@RegardingThat) June 20, 2023
On board the Titan is Mission Specialist PH Nargeolet, former French Naval Commander and legendary Nautile submersible pilot. pic.twitter.com/iLz37nfSv0
Nautile
ノーチル
「ノーチル」はフランスの海洋開発に携わるイフレメール研究所が所有する大深度有人潜水艇で、最大深度は6000mです。サイズは全長8m、最大幅2.7m、高さ3.81mです。定員は3名です。「ノーチル」も見るからにごっつい堅牢な船体をしています。大深度潜水艇のサイズはどの船も似通っていますが、やはり潜水艇「タイタン」だけ、中身に空間を広く取って5人も乗せられるようにしたことが強度不足を招いたのかもしれませんね。
Atalante will also be delivering a submarine called Nautile which is a manned craft, with 3 crew and is able to dive to depths of 6000 metres. It can dive around 8 hours with 6 of those being on the seabed. It is equipped with lights and wide windows pic.twitter.com/QefrmIrTqW
— Richard B. Long (@intell911) June 22, 2023
実はこの「ノーチル」とさらに無人潜水機 (ROV) がセットで、今回の潜水艇「タイタン」の捜索のためにフランスから事故現場に派遣され行方不明になった潜水艇「タイタン」を捜索していました。今回、潜水艇「タイタン」にフランスのダイバーでタイタニック号の研究者のポールアンリ・ナルジョレ氏 (77歳) が搭乗していたこともあって、フランスが捜索に協力したものと思われます。
4. 潜水艇サイズ・深度比較表
タイタン (アメリカ) | (日本) | しんかい6500(アメリカ) | アルビン(フランス) | ノーチル|
最大深度 | 4000m | 6500m | 4500m→6000m | 6000m |
全長 | (6.7m)※ | 9.7m | 7.1m | 8.0m |
最大幅 | (2.8m)※ | 2.8m | 2.6m | 2.7m |
高さ | (2.8m)※ | 4.1m | 3.7m | 3.81m |
定員 | 5人 | 3人 | 3人 | 3人 |
※はニュースからの情報
表/FREE FOWLS新石垣島ブログ
当画像を二次使用される場合はコチラをお守りください
潜水艇「タイタン」のサイズ情報は公式ページに記載が見つけられなかったので、ニュース報道で出ているサイズを記載、その他の潜水艇はWikipediaの情報を基にしています。潜水艇のサイズは、最大深度の水圧の兼ね合いでしょうか? 全長に若干のバラツキはあるものの、最大幅と高さは大体似たり寄ったりのサイズです。
こうして比較すると、やはり潜水艇「タイタン」の定員5人がとても多く感じます。乗組員が入る空間(耐圧室)を球体で作らずに円筒形としたことで、他の潜水艇との差が生まれているんですが、これが事故の引き金になった可能性がありますよね。
潜水艇で人が乗り込むスペース (耐圧室) は球体で作るのが普通
上記は、潜水艇「アルビン」の船内の図面なんですが、潜水艇に人間が乗り込むスペース (耐圧室) は水圧が分散される球体で作られるのが一般的なんですよ。「アルビン」に限らず、「しんかい6500」も「ノーチル」も。。。でも、潜水艇「タイタン」は5人が乗り込んだスペースは球状になっておらず円筒形でしたよね。球と円筒形では、円筒形の方が球よりも2倍圧力がかかるという計算になるといいますから、そこにも「タイタン」が海底で爆縮・圧壊した原因がありそうです。
潜水艇「タイタン」の乗員スペースは円筒形
What fun to dive with PH this summer – now @changing_oceans @GeosciencesEd is analysing the videos to identify as many of the sponges and corals growing on this ridge as we can. Then we put in context of Atlantic deep & open ecosystems through @iAtlanticEU https://t.co/1D5uJXqdVc pic.twitter.com/SsleREOdbl
— J Murray Roberts (@jmurrayroberts) October 26, 2022
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まとめ
今回、カナダ東部ニューファンドランド島沖で事故を起こした潜水艇「タイタン」。その作りの華奢な船体がやけに違和感を感じたので潜水艇「タイタン」と同様に大深度、水深4000m以上を潜る有人潜水艇の形状について調査しました。例に挙げた、日本の「しんかい6500」、アメリカの「アルビン」、フランス「ノーチル」、どの潜水艇と比較しても潜水艇「タイタン」は圧倒的に見た目、そして内部が貧弱な事が判明しました。車で例えるなら、日本の「しんかい6500」、アメリカの「アルビン」、フランス「ノーチル」は高級外車の様な作り込まれた船体で、潜水艇「タイタン」は大学生のサークルで車好きが集まってありものの部品を代用して作り上げたソーラーカーの様な船体に感じましたよ。
潜水艇「タイタン」の一番の問題は、どう見ても他の潜水艇と違う大きな窓と円筒形の耐圧室だったのかもしれませんね。。。
潜水艇「タイタン」の21インチ(約53.34cm)の窓は大きすぎた?
US Navy detected Titan sub implosion with top secret acoustic system day vessel went missing https://t.co/qkuT8sHymS #FoxNews
— ミズトリヒロユキ (@free_fowls) June 23, 2023
潜水艇「タイタン」の窓、耐圧室側から見た大きさ
Happy International Womens Day! We're proud to say that we helped these three amazing women dive to the Titanic last year.
— OceanGate Expeditions (@OceanGateExped) March 8, 2023
Learn more about our upcoming expedition: https://t.co/F7OtKI1ccF pic.twitter.com/KfDGDBp5F6
潜水艇「アルビン」の窓、耐圧室側から見た大きさ
やっぱり、「タイタン」の方が
若干、窓が大きいですね。
また、潜水艇「タイタン」の建造には炭素繊維が用いられていたといいますが、炭素繊維の深海での安全性のテストはまだデータがほとんどない状態だってという事です。NBCニュースサイトによりますと、今回の豪華客船見学ツアーは開始から3回目のツアーだったとの事。過去2回は何とか潜水艇「タイタン」は耐えたけれども、3回目は持たなかった。。。ってことでこんな状態で乗客を乗せていたいたというのは非常に恐ろしいです。
今回事故に遭われた方の中には、世界的な探検家の方のいらっしゃったようなんですが、これらの潜水艇との比較画像を事前に見ていたら、潜水艇「タイタン」があまりにも貧弱で乗船しなかった可能性もありますよね。なんでも、この潜水艇「タイタン」は実験船として運用している潜水艇で、乗客を乗せた運航はすべきではなかった船だったようです。非常に安全性に問題のあったようなんですよ。乗客は誓約書を書かされて事故の際に補償を求めないことになっているようなんですが、このままでは終わらないと思います。酷い事故が起こりましたよね。。。亡くなられた方たちのご冥福をお祈りいたします。。。
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追記 2023年6月29日 潜水艇「タイタン」の残骸が引き揚げられました。
6月28日にカナダ東部にあるニューファンドランド島のセントジョンズ港に、引き揚げられた潜水艇「タイタン」の残骸が運び込まれました。今後、爆縮に至った経緯などの検証が行われます。亡くなられた5人の方たちのご冥福をお祈りいたします。
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