\Tシャツ欲しいな~と思ったら!/
10月1日、午後8時半頃、西表島西部の県道で、
イリオモテヤマネコの交通事故が発生。
雌の成獣、1体が死亡。
2021年の今年、5件目のイリオモテヤマネコの死亡事故になってしまいました。。。
うーん。。。
今年は観光客も少ないのに、
5件は多いなー
7月26日に、西表島が世界遺産に認定されてからのカウントでも
3件目になりますよー、多すぎます!!
これは異常事態と言っていいですよねー
西表島が世界遺産に認定されたのは、奄美大島から西表島まで、
点々と続く島々における生物多様性が評価されての事でした。
このままロードキルが続くようだと、
世界遺産の認定取り消しもあり得なくはないんですよねー
イリオモテヤマネコのロードキル対策は、依然として、道路沿いの看板の設置や、ドライバーへの注意喚起に留まっています。
これじゃー減っていかないよなーって感じですよ。
コロナで言うところの「罰則を伴わないお願いレベル」という奴ですー
具体的なロードキル対策はボク自身も提唱してきましたけど、
それでも対処療法的な事でしかない小手先の手法なんですすよねー
そもそもの根本的なところに対策を打たないと、
どうしようもないことにだんだん気が付いてきましたー
西表島のロードキル問題の解決には
西表島の歴史に
目を向ける必要があるんですよねー
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イリオモテヤマネコの交通事故は看板や、
ドライバーへの注意喚起では絶対に減らないと思うんですよね
これまでにボクが提唱してきたイリオモテヤマネコの交通事故防止案がこちらの記事です↓
✔あわせて読みたい:【コロナ対応と同じ?】西表山猫の交通事故、物理的な対策がいつまでたっても施されない件
上の「✔あわせて読みたい」の記事中でも書いていますが、
これまでボクがイリオモテヤマネコの交通事故防止として提案してきた案は、
西表島の道路で、車のスビートが物理的に40キロ以上出せないように
減速帯(Speed Bump)を設置するというものでした。
車のスピードが40キロ未満なら、
もし仮に、車とイリオモテヤマネコが接触事故を起こしたとしても
イリオモテヤマネコなはケガをすることはあっても、
死んでしまうことはないやろなーっていう発想からきた対策ですー
西表島には、イリオモテヤマネコが交通事故に遭った時に救命活動してくれる病院もしっかりあるので
ケガをしたイリオモテヤマネコは助けられるんですよ。
減速帯(Speed Bump)の設置は、
道路沿いの看板を置いたり、ドライバーに注意喚起するよりは効果があると思っていましたが
それでもそれは小手先の対処療法でしかないんだよなーって最近思うようになりましたー
西表島のロードキル問題を解決するには
西表島の歴史に目を向ける必要がある、ということを
以前、西表島に住んでいた知人から聞いたんですよー
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イリオモテヤマネコが生息する西表島の大自然、
そもそも西表島がこんなに自然が豊かなのは何故なのか?
西表島の歴史を紐解く。。。
西表島はかつて、マラリアが蔓延する島でした。
マラリアは、病原体であるマラリア原虫を持つマラリア蚊(ハマダラカ)に媒介されて人に感染する寄生虫症です。
今は薬もありますが、昔は大勢の方が亡くなった病気です。
琉球王朝統治時代の17世紀頃から西表島には数か所、集落もあったそうですが、
山の中はマラリア蚊がブンブン飛び回っていたので
生活できたのは集落周辺だけだったので、結果的に西表島の自然が手つかずで残ったんですよー
1960年代に米軍が来て、DDTという農薬を散布してマラリア蚊を撃退、
1963年頃にマラリアが根絶されたそうですー
マラリアが蔓延していた時代にも西表島には古くからの集落が、島の西北部と東南部にありました。
島民は集落の周辺で稲作をして生計を立てていたそうですー
西表島は雨も多く水源も豊富な場所ですからねー
東南部の集落には、平たい島で水源が無く稲作が出来ない竹富島から人々が西表島に船で渡って
マラリアが無かった由布島に寝起きして、稲作をやったそうですよー
ボクは昔、竹富島の民宿のはら荘の行雄おじーから、そういう話を聞いたことがありましたねー
竹富島の西桟橋から船を出して西表島に仕事しに行ってたそうですー
まー西表島の稲作が盛んだったといっても、
潮が満潮の時に海水が水田に侵入してしまう「スーダー(潮田)」や、
腰のあたりまで浸かる深い湿田「フカンター(深田)」も多く、それらを土地改良して稲作していたそうなので
大変ではあったらしいですー
でも当時の稲作は「ユイマール」という集落総出で行う共同作業だったので
みんなで力を合わせて、稲作に励んでいたといいますー
しかしながら、西表島は過疎化が進み、1970年代後期辺りまで人口が流出し続けました。
それにより、ユイマールによる農作業が衰退し、
次第に稲作は機械を使った少人数・家族単位での耕作スタイルに変化していったんですよー
その過程で、次第に水田の多くがが消失していったそうですー
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西表島の水田の消失と西表島の道路の開通が
イリオモテヤマネコの交通事故の始まり
1970年代まで続いた西表島の過疎化で、西表島の稲作は衰退し、
水田の多くが消失してしまいましたー
その水田の消失が、
イリオモテヤマネコを
交通事故へと導いていますー
イリオモテヤマネコにとって、水田は格好の餌場でしたー
イリオモテヤマネコは、西表島の食物連鎖の頂点に君臨していますー
水田の虫を食べに集まる鳥類を捕まえて採食したり、
水田のカエルやトカゲなども採食していました。
その餌場が年々消失し続けたことで、イリオモテヤマネコの行動に変化が出始めましたー
イリオモテヤマネコといったら、絶滅危惧種の貴重な生物ではありますが
島で暮らす一部の方たちからは害獣扱いだったりもします。
飼っているニワトリや山羊が襲われて食べられたりしているからなんですよー
そうです、イリオモテヤマネコの餌が減ってしまって、
イリオモテヤマネコが島内をうろつきはじめ、
人間の生活圏まで入り込み始めたんですよー
それに加えて、1977年に西表島の西北部の白浜から東南部の南風見まで道路が開通しました。
※西表島には周回道路はありません。
1980年代になると西表島は観光業に乗り出して、次第に島の人口が増加に転じたんですよー
島に人も増え、西北部と、東南部の往来も盛んになりました。
しかも、道路にはほとんど信号機がありません。
往来する車のスピードはなかなかのもんなんですよ。。。
そこへきて、餌を求めてイリオモテヤマネコが徘徊しているとなると。。。
交通事故、起っちゃうんですよねー
これが西表島における、イリオモテヤマネコのロードキルの構造なんですよ。
西表島の西表島野生生物保護センター はイリオモテヤマネコの保護活動の拠点となっており、
イリオモテヤマネコの交通事故件数も調査していますー
イリオモテヤマネコの交通事故件数の調査が始まったのは1978年で、
西表島の道路が開通した1977年の翌年からになっていることからも、
道路の開通が
イリオモテヤマネコの交通事故と
因縁が深い事は間違いないんですよー
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まとめ
イリオモテヤマネコのロードキルを減らしていくには、
- 車がスピードを出せない物理的な環境づくり
- イリオモテヤマネコの餌場となる水田の復活
この2点が重要なカギになってきますー
かつて島を去っていった方の中には、土地の譲渡をせずに出て行った方も多く、
西表島には放棄された農地の多くが不在地主の土地となっているそうですー
その辺の問題を竹富町がクリアにして、放棄された農地で水田を復活させられたら、
イリオモテヤマネコも餌に苦労することが無くなって
人のいる集落や道路には寄り付かなくなるかもしれません。
西表島では少なくなったとはいえ、今でも稲作は行われていますー
西表島産のお米は「ミルキーサマー」の銘柄で、石垣島のゆらてぃく市場でも販売していますー
ボクも時々買いますけど、石垣島産のお米とはまた、一味違っておいしいお米ですー
西表島のロードキル問題、
現状からもっと奥へ踏み込まないと
今後も続いてしまうんですよ。。。
世界遺産の事務局のユネスコに来年の12月までに
竹富町はロードキルの具体的な解消策を提出しないといけないので
あと1~2年で解決へ向けて動き出すんじゃないかと思っていますー
期待したいですねー
追記 2022年8月5日 またイリオモテヤマネコの交通事故発生! しかも2件も!!
イリオモテヤマネコが交通事故死 相良橋付近で2個体 https://t.co/NIIeuvLgCR
— ミズトリヒロユキ (@free_fowls) August 5, 2022
またしても、イリオモテヤマネコの交通事故がありました。しかも2件もです。1件目は8月1日夜、2件目は8月2日の夜です。せめてもの救いは、1件目の事故は当事者が名乗り出て報告を入れている事です。事故の当事者が名乗り出ることは非常にまれなんですよ。
行政がまだ踏み込んだイリオモテヤマネコのロードキル対策に乗り出していないので、今後もイリオモテヤマネコの交通事故は続くでしょう。。。新町長に期待してるんですけどね。。。
◆ イリオモテヤマネコの交通事故、物理的な対策が施されない件についてはこちらの記事にまとめています!下記からお進みください!
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